次世代気象予測システムの開発 ~“微気象”予測の実現~

社会応用を指向する場合には、予測情報をオンデマンドに、リアルタイムに提供するために、ソフトウェア技術とハードウェア(インフラ)技術の統合利用が必須になります。いわゆる“超スマート社会”では、個人レベル(数mメッシュ)の予測情報にあらゆるIoT機器がアクセスできるような仕組みが必要になると考えています。本研究室では、都市街区”微気象”のリアルタイム予測の実現に取り組んでいます。

微気象とは、建物、人間活動などの影響を強く受ける地表から高度100m程度までの気象現象のことです。リアルタイム予測のためには、例えば30分の時間積分を数分程度で完了する必要があります。このような微気象のリアルタイム予測は、現在のトップ性能を誇るスパコンをもってしても実現できません。しかも、ローカルな観測データの取り込みとエンドユーザへの情報提供をリアルタイムに行うためには、予測計算もローカルに近いPC(エッジサーバー)で実施されることが望ましいと考えられます。数mメッシュの微気象予測情報をPCでリアルタイムに創出するために、例えば、深層学習を活用した予測シミュレーションシステム、つまりAI融合予測シミュレーションの開発に取り組んでいます。

本研究の一旦が2019年のIST News11月号に記事化されています。

図1:微気象予測が実現された未来社会

本取り組みは科研費学術変革領域(B)「微気象制御学」領域として採択されています。